3進7退2進2退6進 PLAYBACK FC東京 2005

PLAYBACK FC東京
12 /18 2005
PLAYBACK2005
初回は結果を中心に振り返っていこうと思う。
まずは2005年シーズン前の補強動向から。
2004-2005s.jpg

ケリー、阿部という主力の放出に対して即戦力の加入は栗澤、ダニーロ、藤田と質を考えると短期的な戦力層はやや薄くなった。
特にFWは戸田を含めて3人と明らかに少ないままスタートした。
対外活動では都心を意識し始め、六本木ヒルズで写真展が開催され、こんなマスクが抽選でプレゼントされた。

シーズン前の石垣島キャンプで原監督が試していたのは今野、馬場、そして新加入ダニーロを逆三角形に配置した4-2-3-1。

     ルーカス
 規郎       石川
   ダニーロ 馬場
      今野
金沢  茂庭  ジャーン 加地
      土肥

しかし、キャンプ終了後、馬場が怪我で離脱してしまう。
原監督が代役に抜擢したのは新人らしくない新人、栗澤だった。

PSM 川崎フロンターレ ● 0-1

しかし、内容は散々。特にダニーロは周囲と全く呼吸が合っておらず攻撃のブレーキとなってしまっていた。
これを受けてダニーロはまだ時間がかかると判断した原監督は宮沢を起用し開幕戦に臨んだ。

     ルーカス
 規郎       石川
    宮沢  栗澤
      今野
金沢  茂庭  ジャーン 加地
      土肥

オープニングゲストにはアニマル浜口が呼ばれ、気合を注入した。
第1節 アルビレックス新潟(H) ○ 4-0
第2節 サンフレッチェ広島(A) △ 0-0
NCGL第1節 柏レイソル(A) ● 1-3
NCGL第2節 大分トリニータ(H) △ 0-0
第3節 ヴィッセル神戸(A) ○ 2-1
第4節 ジュビロ磐田(H) ○ 1-0


開幕戦で快勝した東京は(ナビスコはともかく)リーグ戦では勢いを保ち、苦手だったジュビロ相手に勝ち切って成長した姿を見せたかに思えた。
ところが…

第5節 名古屋グランパスエイト(A) ● 0-1
第6節 浦和レッズ(H) ● 0-2
第7節 ガンバ大阪(A) ● 3-5
第8節 柏レイソル(H) ● 0-2
第9節 大分トリニータ(A) ● 1-2
第10節 鹿島アントラーズ(H) ● 0-2


グランパス戦での藤山、茂庭を筆頭に怪我人が続出し、二番手の選手すら欠く状態に。
期待のダニーロも一向にフィットせず、リーグ戦6連敗と泥沼に陥ってしまった。
この状況に何かせずにはいられなかったのかさせられたのか。
大宮戦入場前には選手直筆の決意表明なるものが配られた。

第11節 大宮アルディージャ(H) △ 3-3
第12節 ジェフユナイテッド千葉(A) ● 1-2
NCGL第3節 ジェフユナイテッド千葉(H) ● 0-1
NCGL第4節 大分トリニータ(A) ○ 2-0
NCGL第5節 柏レイソル(H) △ 0-0
PSM ユベントス ● 1-4
NCGL第6節 ジェフユナイテッド千葉(A) ● 2-3


異常な程の闘志を剥き出しにした大宮戦だったが、土壇場で追いつかれてしまい失意のドロー。
ナビスコの大分戦辺りからシステムを4-4-2にしたがあまり機能しなかった。

    戸田 祐介
 栗澤       石川
    宮沢 今野
金沢 茂庭  ジャーン 藤田
     塩田

結局その後も立ち直れず、前年度覇者として迎えたナビスコカップを予選最下位という最悪の結果で終えて中断期間に入った。
さすがに危機感を覚えた東京フロントはフィットする見込みの薄いダニーロをレンタル移籍で放出し、南米選手権得点王ササを加えてテコ入れを図った。
暑い中にも冷や汗のしたたるHOT6が待ち構えていた。

第13節 セレッソ大阪(H) △ 2-2
第14節 川崎フロンターレ(A) △ 0-0
第15節 緑(H) △ 0-0
第16節 清水エスパルス(A) ○ 1-0
第17節 横浜F・マリノス(H) ○ 4-0
第18節 ヴィッセル神戸(H) △ 1-1
PSM FCバイエルンミュンヘン ● 0-4


HOT6を土壇場で追いつかれるという最悪の緒戦でスタートし、緑戦ではいいところなく引き分けた上に灰皿事件が起きるなど雰囲気は最悪に。
しかし、土壇場の清水戦で4-2-3-1に戻したせいか12試合ぶりの勝利を収めると、次の横浜FM戦も相手の油断をついて完勝。
神戸との試合は引き分けだったものの、終ってみれば負け無しでHOT6を切り抜けていた。
選手起用では、川崎戦からワールドユース帰りの梶山がスタメンに使われ始めたが、能力を発揮するまでには至っていなかった。

    ルーカス
 戸田      規郎
     栗澤
   今野  梶山
藤山 茂庭 ジャーン 加地
     土肥

また、満身創痍は相変わらず。
素晴らしいメンバーで来日したバイエルンミュンヘンに対しサテライトのようなメンバーで戦わざるをえず良いところ無く叩きのめされた。
リーグ戦再開までは1ヶ月。反撃が期待されたが…

第19節 浦和レッズ(A) ● 1-2
第20節 名古屋グランパスエイト(H) △ 1-1
第21節 ジュビロ磐田(A) △ 1-1
第22節 柏レイソル(A) ● 2-4


再開後の東京はHOT6を切り抜けてホッとしてしまったのか、気持ちが抜けたり入ったりと不安定な状態。
柏戦から帰ってきた阿部のゴールだけが明るい話題だった。
降格の影が再びチラつき始めた。

第23節 清水エスパルス(H) ○ 1-0
第24節 横浜F・マリノス(A) △ 0-0
第25節 大分トリニータ(H) △ 0-0
第26節 大宮アルディージャ(A) ○ 1-0
第27節 サンフレッチェ広島(H) △ 2-2


嫌な雰囲気を振り払ったのはまたしても清水戦。
相手の自滅に近い形で勝利を得ると、堅守が蘇り戦い方が安定、広島戦では2度のビハインドを追いつく等勝ち点への執着が見え始めた。
また、大宮戦から馬場がスタメン起用され期待に応えた。
他にもTHE MIDWEST VIKINGSの「VAMOS TOKYO!」が発売されたり、茂庭がRayBanの広告に起用されたりと明るい話題が増え始めた。
200509240001s.jpg

一方で横浜FM戦で石川が大怪我を負いワールドカップへの望みが早くも絶たれてしまった。
同じ試合でルーカスが意識不明になり騒然となったが幸い軽症で済み、大宮戦で復帰した。

    ルーカス
 戸田      規郎
     馬場
   今野  梶山
藤山 茂庭 ジャーン 加地
     土肥

確実に上向き始めたチーム状態で大事な大事な緑戦を迎えた。

第28節 緑(A) ○ 2-1

とかく色々なものが掛かった試合はササがロスタイム弾で粘る緑を沈めて見事勝利。
梶山の能力もようやく目覚め始め、機能するようになった。
周囲ではいよいよ優勝を意識した戦いが始まっていた。
そんな中、残留濃厚となった東京には優勝への壁という悪役が与えられた。

第29節 ガンバ大阪(H) ○ 2-1
天皇杯4回戦 アビスパ福岡 ○ 2-0
第30節 鹿島アントラーズ(A) △ 1-1
第31節 ジェフユナイテッド千葉(H) ○ 2-1


歯車がガッチリ噛み合った東京は上位陣相手に見事なサッカーを披露し、優勝戦線を掻き乱す事に成功した。
鹿島戦でも茂庭が抜けるアクシデントにめげず引き分けで乗り切り、上位との3連戦を2勝1分と素晴らしい結果を残した。
また、気付けばリーグ戦無敗記録が10に伸びていた。

第32節 アルビレックス新潟(A) ○ 1-0
第33節 川崎フロンターレ(H) △ 1-1


馬場を欠いてサッカーの質は落ちたものの、最後まで勝ち点に執着する精神的成長を見せ、無敗記録を12に伸ばした。
そしてJリーグはクライマックスへ。
相手は首位のセレッソ、場所は長居。
優勝戦線から外れたクラブにとっては最高の舞台が用意されていた。

第34節 セレッソ大阪(A) △ 2-2

優勝への意欲を見せ先行するセレッソだったが同時にナーバスさも見え隠れ。
その隙を東京が力押しし、最後の最後で押し切って劇的に優勝阻止。
優勝戦線を最後まで掻き乱し、リーグ戦を終えた。
その翌日、原監督の退任が発表された。
原東京最後の公式戦となった天皇杯の次なる相手はかつて指揮を執った浦和だった。

天皇杯5回戦 浦和レッズ ● 0-2

原監督の退任が掛かった事がかえって気持ちの空回りを生んだのか、負けという結果に。
2005年のFC東京、4年続いた原東京の幕が下りた。

2005 FC東京
リーグ戦:10位 34戦11勝14分9敗 43得点40失点
ナビスコカップ:グループリーグ敗退
天皇杯:5回戦敗退

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ナビスコカップ優勝!! 光と影 PLAYBACK FC東京 2004

PLAYBACK FC東京
12 /17 2005
前年度に大きくステップアップを果たした東京。
いよいよ本格的に優勝争い、タイトル獲得への期待が高まった。

2004年シーズン前の移籍動向は以下の通り。
2004s.jpg

今野が多くの選択肢の中から東京を選び、増嶋もまた同様に数あるオファーの中から東京を選んだ。
若手にチャンスがあり、尚且つ結果を出せるクラブとして認められてきた証といえるよね。
また、FWの新たな柱としてルーカスを獲得。パラナエンセ時代の同僚ケリーとのコンビに期待がかかった。
ユースも梶山ら3人を昇格させて順調。
GKには即戦力として期待できる大学No.1GK塩田を獲得し、充実のストーブリーグとなった。
一方で、あらゆる面でクラブの柱であったアマラオと共に喜名、加賀見、伊藤、小峯ら大熊時代を知る選手が多く去った。

2004年シーズンに向けて原監督は「ベースは昨季のスタイル、グラウンドを広く使いながら中央からも攻めたい。去年以上にガンガン行きたい。」と語った。
また、「不在の期間が長いオリンピック選手がいなくても魅力あるチームを作らなければならない」とも。

この年から俺達のトーチュウで365日FC東京が始まり、開幕戦前には特別版が配られた。

1stステージ
第1節 アルビレックス新潟(H) ○ 1-0


開幕布陣

    阿部 ルーカス
 規郎        戸田
    宮沢 文丈
金沢  藤山 ジャーン 加地
      土肥

昇格ほやほやの新潟相手に前半だけでシュート12本を打ち込んだが得点はわずか1点。
後半は攻め疲れで押される場面も。
一所懸命にやって勝った事だけが収穫だが開幕戦というのはそれで充分なのだ。

第2節 大分トリニータ(A) ● 1-2
NCGL第1節 鹿島アントラーズ(H) ● 1-2


ケリーを怪我で欠く東京は単調な攻撃に終始。
鹿島戦でルーカスが点を取った事だけが救いだった。

第3節 緑 ○(H) 3-2

攻撃は相変わらず単調だったものの、かける気持ちが半端じゃなかった。
しかし、先制点は緑。平野のミドルループが決まってしまった。
後半に入ってもとにかく力押しする東京。
ジャーンのフィードから戸田が目を疑うようなトラップ&シュート。
同点に持ち込み、俄然流れは東京へ。
交代で憂太を入り、東京がリズムを作り出す。
が、エムボマの金沢へのチャージを主審が見過ごし、その流れで決められて再び引き離されてしまう。
しかし粘る東京は宮沢のFKからジャーンヘッド!
再び追いついた。
息詰まる熱戦に終止符を打ったのは緑キラー憂太!
東京が中盤で奪ったボールをポンポンと繋ぎ、石川→栗澤→憂太と渡ってヘディングで決めてみせた。

第4節 清水エスパルス(A) △ 0-0
第5節 セレッソ大阪(H) △ 1-1
第6節 ジュビロ磐田(A) ● 0-2


ここで勢いに乗りたかったが…乗れない。
清水戦ではそれなりにチャンスがあったものの決めきれず、セレッソ戦ではルーカスのリーグ戦初得点で追いついたが穴沢主審に試合を壊された。
磐田戦では土肥ちゃんポロリ…。
ケリーが清水戦の途中から復帰し、4-2-3-1に戻してリズムを作れるようにはなったが結果に結びつかなかった。

NCGL第2節 鹿島アントラーズ(A) ○ 2-1

梶山ゴラッソで鹿島スタジアム初勝利!

第7節 横浜F・マリノス(H) ● 0-2

安のチャージを奥谷が取らずに失点。
その後リズムを作ったのは東京だったが点が入らず、逆に奥のFKが決まって敗戦。
 
第8節 ヴィッセル神戸(A) ○ 2-1

ジュビロ戦から続いていた早い時間帯での失点はこの試合も続き嫌なムード。
しかし、今野がCKからJ1初得点を決めると、梶山からスルーパスを受けて再び得点。
1ヶ月ぶりにリーグ戦で勝った。

第9節 柏レイソル(H) ○ 2-1
第10節 サンフレッチェ広島(H) △ 1-1
第11節 鹿島アントラーズ(A) △ 0-0


狭い攻撃に終始し、あまり観ていて面白いサッカーではなかった。
しかし、ルーカスが怪我して憂太が1TOPになったりケリーが再び怪我したりと台所事情が苦しい中気持ちで勝ち点をもぎ取っていった。
特にこの時期は今野が大活躍。
柏戦ではオーバーヘッドを決め、鹿島戦ではドリブル中倒されるもすぐに起き上がって続けるローリングドリブル(?)を披露して沸かせてくれた。

NCGL第3節 柏レイソル(A) ○ 2-0
NCGL第4節 ヴィッセル神戸(H) ○ 2-1
第12節 ガンバ大阪(H) ○ 2-1


柏戦から憂太がトップ下スタメン出場、リズムと決定機を生み出した。
柏戦ではFKからジャーン、神戸戦ではCKから今野、ガンバ戦では1,2でルーカスへと3試合連続でアシストを記録した。
また、神戸戦でのノリカルFK、ガンバ戦でのルーカス2得点も今後に向けて明るい材料となった。
 
第13節 ジェフユナイテッド市原(A) △ 2-2
第14節 名古屋グランパスエイト(H) ○ 3-2


ジェフ戦は前半に規郎が2得点、しかも相手が一人少ないという格段に有利な状況から同点に追いつかれる嫌な試合。
名古屋戦はその流れを引き継ぎ、2点のビハインド。
しかし、ルーカスのスーパーゴールがスタジアムの目を覚ました。
更に宮沢が久しぶりに途中出場して更にボルテージが上がり、ショートコーナーから茂庭が同点弾!!
勢いに乗れば止まらないのが東京。
スローインを受けたルーカスが中に持ち込んで逆転弾を叩き込んだ!
選手とサポーターが一体になって勝利を呼び込んだ試合だった。

第15節 浦和レッズ(A) ● 1-2

怪我人続出で苦しい東京は増嶋がリーグ初先発。しかし苦しく2失点。
それでも諦めない東京。今野が一点返して反撃開始、と思いきや茂庭が若気の至りで退場。
敗戦してしまった。
双方に退場者を出し荒れたこの試合の主審は穴沢氏。
この頃の彼は本当に酷かった。
 
NCGL第5節 ヴィッセル神戸 ○ 2-1
NCGL第6節 柏レイソル(H) △ 1-1


ルーカスの活躍で危なげなくGL突破。
栗澤が神戸戦で初得点を記録した。

PSM デポルティボ・ラ・コルーニャ ○ 2-1
PSM ASローマ △ 0-0


リアソールでは先制を許すも直後にルーカスのゴールで追いつき、仕上げに梶山HENTAIミドル炸裂!
ずっと目標にしていたスペインクラブ相手に敵地でまさか(?)の大金星。行った人は一生の思い出になっただろうね。
一方、日本で行われたPSMの相手はローマとは名ばかりのチーム。何も記憶に残らなかった。
ローマは二度と来るな。

アテネでは茂庭、今野、石川、徳永が出場。
収穫と課題、そして悔しさを胸に帰ってきた。

2ndステージ
第1節 セレッソ大阪(A) ● 3-4
第2節 清水エスパルス(H) ● 1-2


ケリーが復帰し、馬場が左、右に栗澤という布陣に。
試合は取っては取られの繰り返しで連敗。

第3節 緑(A) ○ 1-0

嫌な流れも緑戦は関係なし。
東京はとにかく攻め込むがやっぱり点が入らない。
それでも諦めず攻めの交代を行った東京は終了間際に梶山ミドルが炸裂して緑撃沈!
緑戦アウェー扱い初勝利を挙げた。

NC準々決勝 ガンバ大阪 ○ 4-1

台風の中行われたガンバ戦はルーカスや石川を欠く苦しい布陣で先制をゆるしてしまう。
しかし前半のうちに追いつくと、スーパーサブ阿部ちゃんの登場で流れを手繰り寄せて逆転。
その後は梶山のHENTAIシュートがまたも炸裂するなどで大勝し、準決勝へと駒を進めた。

第4節 ヴィッセル神戸(H) ○ 3-1
第5節 柏レイソル(A) △ 1-1
第6節 浦和レッズ(H) ○ 1-0


この頃はルーカスが怪我で祐介が1TOPを張った。
神戸戦では起用に応えてPKを2度もゲットするなどなかなかいい働きをした。
ただ、ポストを叩いたり緑戦でもゴール寸前のボールをDFにかき出されたりと数字を残せなかったのはツイていなかった。
柏戦は東京よりも「調子はいかがですか?負け犬」などの柏の横断幕の方が目立った。
浦和戦は前線からプレスをかけ緊迫した一戦に。
決定機がお互い少ない中、交代出場したルーカスがCKからのヘディングで先制!
この虎の子の一点を茂庭を中心に集中を切らさず守りきって勝利した!

第7節 鹿島アントラーズ(H) ● 0-1
第8節 名古屋グランパスエイト(A) △ 1-1


石川の負傷が癒え、途中出場出来るようになった。

NC準決勝 緑 ○ 4-3

元気の無い緑をスタメンに戻った石川がいいように切り裂き、前半だけで3得点。しかも、相手退場者のオマケ付き。何点取って勝つのかだけが興味の対象になったはずだった。
ところが……後半開始早々に1点返されるとどっちが一人少ないのか分からない状態に。
緑の動きを捕え切れなくなった東京はズルズルと後退し、まさかの3失点。
その後も緑ペースで試合は進み、平本が決定的なシュート、万事休す!かに思われたが幸運にもバーに助けられた。
からがらに延長に持ち込んだ東京は開始直後に攻め込んでCKをゲット。
これをルーカスが魂のヘディングゴール!!
ルーカスハットトリックの大活躍でなんとか緑を下し、決勝へ進出した。

第9節 ジュビロ磐田(H) △ 0-0
第10節 横浜F・マリノス(A) ● 1-2
第11節 サンフレッチェ広島(A) △ 1-1


ジュビロ戦は終始攻め込み、相手には退場者も出たがやはり点が奪えずドロー。
横浜FM戦は疑惑のPKで敗戦。それよりも、試合後に起こった地震の方が大変だった。
広島戦は正直、ナビスコへの調整試合。

そして決戦へ……

決勝布陣

    ルーカス
 戸田 ケリー 石川
   今野 文丈
金沢 茂庭 ジャーン 加地
     土肥

下馬評は圧倒的に浦和有利。それもそのはず、相手はリーグ戦首位で東京は1ヶ月勝っていなかったからね。
しかし、決勝まで来ればそんなの関係ない。
東京は開始早々前線からプレスをかけ、左右に揺さぶって攻撃を仕掛ける。
守ってもエメルソンにボールが渡る前にカットし、主導権は東京が握りかけていた。
しかし、ジャーンが29分に早くも2枚目のイエローで退場を宣告されてしまった。
それでも東京は変わらず積極的に前からプレスをかけて攻撃し、守っても文丈に代わって入った藤山が抜群のインターセプトを見せて対応した。
しかし、点を入れられないまま後半終盤になると流石に押され始め防戦一方に。
だが、血尿が出るほどの異常な集中力で守りきり、土肥ちゃんも鬼神の働き。
PK戦へと突入する。
PK戦に持ち込んだ東京、持ち込まれた浦和。
圧倒的に心理的優位に立った東京が山岸の妙な笑顔を無視して次々と決めていった。
そしてこれを決めれば優勝という時に出てきたのは加地さん。
代表様とはいえ、とてもPKの上手い方には見えない加地さんにドキドキさせられたがキッチリ決めて東京優勝!!
原監督が東京に初タイトルをもたらした!!

NC決勝

浦和レッズ ○ 0-0[4PK2]


舞台は再びリーグ戦へ。

第12節 大分トリニータ(H) △ 1-1
天皇杯4回戦 ベガルタ仙台 ○ 1-0
第13節 アルビレックス新潟(A) ● 2-4
第14節 ジェフユナイテッド市原(H) △ 3-3


見所はジェフ戦で梶山が編み出した一人時間差シュートくらいかな。
とにかくリーグ戦で勝てなかった。

第15節 ガンバ大阪(A) ○ 2-1

この試合も早々に失点し、とうとうリーグ戦で勝てないまま終るかとも思われたが宮沢の虚をついたFKから規郎が得点すると、その後に憂太が初めて足でゴールを決め逆転。
最終戦を3ヶ月ぶりのリーグ戦勝利で締めくくった。

天皇杯5回戦  大宮アルディージャ ○ 6-3
天皇杯準々決勝 浦和レッズ ● 1-2


天皇杯は大宮を破った後因縁の浦和と対戦。
劣勢ながらも石川の先制弾が決まったが逆転されて敗戦。
ケリーの最終戦となってしまった。

この年は緑戦やホームの名古屋戦など記憶に残る勝ち方をした試合が多かった。
何と言っても初タイトルナビスコカップ優勝に尽きるね。
決勝に辿り着くまで梶山、馬場、規郎、今野といった若手が日替わりヒーローとなって勝ち進み、調子の出てきたルーカスハットで緑を下し、最後は奇跡的に揃ったベストメンバーで勝利。
その活躍した若手を抜擢し、結果がすぐには出なくても信頼して使い続けた原監督の功績は非常に大きい。
器のデカイ原監督でなければ勝ち得なかったタイトルだった。
まさにクラブ全体で勝ち取ったタイトルだけに格別の喜びがあった。

リーグ戦では緑戦やホームの名古屋戦など記憶に残る勝ち方をした試合が多かった。
流れが良くなくてもセットプレーから得点する勝負強さも時には見せてくれた。
この年に悪い印象があまりないのはココゾ、という試合でかなり勝っていたからだろうね。

ただ一方で凡戦も多かった。
誤算だったのは宮沢の不調だね。
当初今野と組むはずだったけれどうまく噛み合わずその座を文丈らに譲ってしまった事で東京の肝だったサイドチェンジが極端に減ってしまった。
また、中央に君臨するはずだった将軍ケリーが怪我で出遅れたのも痛かった。
彼がいなくなってしまった事で中央から脅威を与える事がまるで出来ずに攻撃が単調になってしまい、相手に読まれやすくなってしまった。
2004年にバランス良く攻撃が出来たのは憂太が調子良かった試合だけじゃないだろうか。
このケリーをはじめとした怪我人が多過ぎたのも誤算だよね。
代表を行き来した土肥と加地がコンディションを崩し、石川や茂庭が怪我がちだったのはある程度仕方が無い。
しかし、それ以外にもケリーやルーカス、梶山など怪我人が多すぎてスタメンがまるで定められなかった。
2003年にせっかく少なくなったのにまたもや大幅増加した事がチームの足を大きく引っ張った。

残念ながら原監督が有効な手立てを最後まで打てなかったのもリーグ戦で停滞した大きな原因。
引いた相手を崩す術を持たず4-4-2も機能させられない課題をそのままに、決定力不足、開始序盤での失点癖、2-0からは追いつかれ、相手が減ると途端に動きが鈍る、と次々に問題噴出。
これらの課題は結局解決されぬまま翌年に持ち越された。


2004年 基本布陣

    ルーカス
 馬場 ケリー 石川
   今野 文丈
金沢 茂庭 ジャーン 金沢
     土肥

リーグ戦:8位 30戦10勝11分9敗 40得点41失点

ナビスコカップ

天皇杯:準々決勝敗退

受動から能動へ PLAYBACK FC東京 2003

PLAYBACK FC東京
12 /16 2005
原東京2年目となる2003年。
現有戦力による底上げという方針で行われた移籍動向は以下の通り。
2003s.jpg

新加入はたった3人だけれど、必要な人材をほぼ過不足なく獲得できた。
特に磐田で便利屋のような扱いだった金沢の獲得に成功したのは双方にとって非常に大きかった。
ボランチに即戦力が欲しかったけれど、次の年にスーパーな選手を獲得できたので結果オーライか。
また、石川がレンタル期間を延長し、前年出場機会が減った由紀彦が横浜FMにレンタル移籍した。

原博実監督は、2003年を積み上げの年と位置づけ、オプションとしてアマラオと阿部の2TOPに取り組んだ。
また、終盤に点を取られた昨季を踏まえ、今季は90分を考えた戦い方もしていくと語った。

PSM 清水エスパルス △ 2-2

PSMではいきなり金沢が退場(笑)
しかし、宮沢のゴール土壇場で追いつきドローに持ち込んだ。
東京は少なくなると強いのだ。

2003年はおかしな年で、リーグ戦に先駆けてナビスコカップが開幕した。

NCGL第1節 横浜F・マリノス ● 0-1
NCGL第2節 横浜F・マリノス △ 2-2


両チームとも開幕に照準を合わせていたせいか凡戦だったようだ。
そして開幕へ。
オープニングゲストには東京スカパラダイスオーケストラがやってきた。

1stステージ

第1節 柏レイソル ○ 2-1

開幕布陣

     阿部
 戸田  ケリー  石川
   宮沢   浅利
金沢 茂庭  ジャーン 加地
     土肥

あまりいい内容ではなかったものの、根引のチョンボを戸田が押し込むなどで勝利。
金沢が起点になったのが収穫といえるかな。
とにかく開幕戦連続勝利記録だけはしっかり守った。

第2節 緑 ● 1-2

調子の上がらない東京は緑より多くシュートを放ったものの敗戦。
アマラオが復帰したのと終了間際に憂太のヘディングで一矢報いたのが慰めだった。

NCGL第3節 ベガルタ仙台 ○ 4-1

煮え切らない試合が続き、業を煮やした原監督はベンチにDFを置かない策に出た。
この姿勢が選手に伝わり、高桑のチョンボから戸田が得点すると試合終了まで攻めきり快勝。
久しぶりに気持ちのよい勝利を味わった。

第3節 セレッソ大阪 △ 0-0
第4節 名古屋グランパスエイト △ 1-1
NCGL第4節 柏レイソル ○ 4-0


再び煮え切らない試合を経てナビスコカップで爆勝。
ナビスコカップはストレス解消の場か。

第5節 鹿島アントラーズ ● 0-2
第6節 ヴィッセル神戸 ○ 1-0
第7節 ガンバ大阪 ○ 1-0


鹿島に格の違いを見せ付けられたものの、神戸戦で阿部ちゃんによるリーグ初ゴールで1ヶ月ぶりのリーグ戦勝利を得ると、ガンバ戦ではイシカジ右サイドがガンバを切り裂いた。

第8節 横浜F・マリノス ● 2-3

佐藤と久保のコンビにしてやられるも必死に追いすがる東京。久しぶりに先発出場した文丈がオーバーラップで気迫のゴール。
勢いづいた東京だがカウンターから安永に点を奪われ、更に遠藤の3人を交わす個人技で追加点を許してしまった。
とにかく攻めるしかない東京は波戸を退場に追いやるなど押し込んだが肝心の得点をなかなか奪えず、浄が85分にやっと1点返すに留まった。
結果は負けだったが気持ちのぶつかり合った好試合だった。
この試合を境に東京は成長した姿を見せ始めた。

第9節 大分トリニータ ○ 2-1
第10節 ジェフユナイテッド市原 △ 0-0
NCGL第5節 柏レイソル △ 0-0
第11節 ベガルタ仙台 ○ 2-0
第12節 浦和レッズ ○ 1-0
NCGL第6節 ベガルタ仙台 ○ 2-1
第13節 清水エスパルス △ 0-0
第14節 京都パープルサンガ ○ 1-0
第15節 ジュビロ磐田 ● 0-1


東京は持ち前の攻撃性と現実的な守備のバランスを相手との兼ね合いで取れるようになり、最低でも負けない戦いが出来ていた。
決定力不足は相変わらずだが、それでも大分戦、京都戦は勝つべき試合で勝ち切った。
磐田には負けてしまったが藤田を称えるべきだろう。
また、仙台戦で当時強化指定選手だった徳永が初スタメンに抜擢され活躍。右サイドに新たな競争が生まれ加地の成長を促した。
ちょっとそれるけれど、京都はあのトンカントンカン…という珍妙な応援をまだ続けているのだろうか。
戸田がいきなり奪った盛り上がりをあの応援が掻き消してしまった事は今でも脳裏に焼きついている。

さて、尻上がりで1stを終えた東京はいよいよレアルマドリードとの対戦を迎えた。
非国民なマスコミに散々煽られ、ボルテージはいつになく高くなった。

サントリードリームマッチ レアル・マドリード ● 0-3

雨の中序盤から飛ばした東京だったがいい得点は生まれず、逆にベッカム様にFKを決められるとそのまま3失点で敗戦。
非常に悔しい思いをした。
また、このレアルマドリードの商業的成功を羨んで翌年以降欧州のビッグクラブが夏場の日本に押し寄せるようになった。

レアル戦のショックが残る中、原東京を象徴するニュースが流れた。

石川直宏選手 FC東京へ完全移籍決定のお知らせ
佐藤由紀彦選手 横浜F・マリノスへ完全移籍決定のお知らせ

石川は前年に原監督が口説き落として連れてきた選手。
味方が持てば素早くスペースへ走り、持てば自ら突破出来るスタイルが原監督の理想に合致し、加地と組んだイケイケ右サイドは東京にとって一番の武器になっていた。
一方、予めスペースが用意されて活かされ、他を活かすことの出来る佐藤は大熊監督時代のカウンター戦術を支えた選手だった。
しかし常に前から、を信条とする原監督の下では出場機会を減らし、この年から横浜FMへレンタル移籍。
技巧派が揃う中盤にマークが集まる分サイドにはスペースがあり、中には久保という絶対的なストライカー。
佐藤は輝きを取り戻した。
“俺達の由紀彦”と歌ってきたサポーターはツライ思いをしたが、選手自身にとっては素晴らしい移籍だった。

NC準々決勝 第1戦 浦和レッズ △ 2-2

再開緒戦はナビスコカップ。
戸田のゴールで2度先行したものの、その度追いつかれてドローに終わる後味の悪い試合となった。
浦和との相性の良さが崩れ始めた。

2nd ステージ

第1節 セレッソ大阪 ○ 2-1

2nd開幕戦はアマラオが待望の初ゴール!
阿部ちゃんも久々に決めていいスタートを切れた。

第2節 名古屋グランパスエイト ● 2-3

70分まで2点先行していたもののサリのバックパスから……。

NC準々決勝 第2戦 浦和レッズ ● 0-2

エメルソン一人にやられついに敗戦…。

第3節 横浜F・マリノス ○ 4-1

嫌な負け方が続いた東京だったが原監督の
「下を向く必要はない。自身を持ってやれ。レアルに35分攻めさせなかったのだからJのクラブを恐れる必要などない。」
の言葉で奮起。
積極果敢に前からプレスをかけてボールを奪ってはゴールに直行する原点回帰で横浜FMをサンドバック状態に。
特にそれまで調子が下降気味だった石川が、やはり原監督による「シンプルにやればいい。」の言葉で吹っ切れて4得点全部に絡む大活躍。
俺達の石川は古巣にキツイ恩返しをしてみせた。

第4節 大分トリニータ △ 0-0
第5節 ジェフユナイテッド市原 △ 2-2
第6節 ベガルタ仙台 △ 2-2
第7節 ジュビロ磐田 ● 1-2
第8節 京都パープルサンガ △ 1-1


横浜FM戦を見て恐れたのか、この頃から対戦相手が引いてくる事が多くなりその都度苦戦した。
2点リードを守り切れない悪癖もついてしまった。

第9節 鹿島アントラーズ ○ 5-1
第10節 浦和レッズ △ 1-1
第11節 清水エスパルス ○ 3-1
第12節 ヴィッセル神戸 ○ 4-1


しかし、スペースを与えられれば無類の強さを発揮。
特にアマラオの落しを受けるケリーが絶好調で散らしたり自ら持ち込んだりと相手を撹乱。
そのケリーに引き付けられたスペースを石川、戸田が好き放題に使って大量得点をあげた。
連日の大量得点で首位戦線に。
また、鹿島戦後に加地がチュニジア戦でA代表デビューした。

第13節 ガンバ大阪 ● 0-1

この試合も大量点で勝っておかしくなかったが全部松代に止められてしまった。
シュートが際どいコースに行っていたにもかかわらず、だ。
最初のハンドを審判が見逃していなかったら……。

この試合後、東京サポを揺るがすニュースが駆け巡る。

アマラオ退団決定

名実共に東京の顔だった選手の退団は東京にひとつの歴史が閉じる事を意味していた。
優勝戦線生き残り、そして何よりアマラオ最後のホーム試合を飾るべく緑戦に挑んだ。

第14節 緑 △ 1-1

優勝戦線生き残りを掛けるのは緑も同じ、しかし東京はそれ以上のものを背負っていた。
試合を掌握していたのは東京。
十八番のサイド攻撃に気持ちを乗せて緑を襲う東京。
75分には待望の先制点も手に入れた。
しかし、背負ったものが大きすぎたか…、上手く試合を終わらせる狡猾さを持たない東京は終了間際に飯尾に決められてしまった。
東京の優勝は夢となったが、それすらサポーターにとって些細なことでしかなかった。
アマラオへの愛がスタジアム、そしてアマラオの涙を包んだ。

第15節 柏レイソル ○ 4-2

アマラオのリーグ最終戦であったが、優勝の芽がなくなってしまったせいか東京の動きはこれまでになく鈍かった。
不甲斐無い戦いで前半を2点のビハインドで折り返した。
しかし、後半からアマラオが出場した事で雰囲気はガラリと変わった。
鬼の形相でボールを追いかけるキングオブトーキョーに引っ張られ、東京が柏を押し込んで石川が1点返すともはやハーフコートゲーム。
79分に阿部ちゃんのゴールで追いついてみせると、流れは更に加速。
その直後、ついにアマラオのゴールで逆転してみせた!
もう、ゴール裏はとんでもない騒ぎ。アマラオの名を叫び、拳を振り上げ、飛び跳ねる。
形なんてどうでもよかった。ただひたすらアマラオに気持ちを伝えたかった。
そして、アマラオはそれに応えてくれる漢だった。
なんとすぐ後にまたゴールを叩き込んで見せたのだ!
ここまでやってくれると、もうおれたちは耐え切れなかった。
おれを含め、コールの声が上ずり始めてしまった。
試合中にああなってしまうのは後にも先にもこの時だけだろう。
おれにとって絶対忘れる事のない試合だった。
ただし、その後の乱入は余計だった。
感情は理解できるが、それを抑えるのもまた人だろう。

そして、アマラオの忘れ物を取りに天皇杯へ。

天皇杯3回戦 Honda FC △ 2-2
天皇杯4回戦 ヴィッセル神戸 △ 2-2


スペースを与えられないと苦戦するのは相手のレベルを問わないようで、天皇杯男阿部ちゃんの得点も報われずPK負けで天皇杯が終わってしまった。
残念ながら丸亀がどのような様子だったかは分からない。

前年度築いた土台からステップアップを図った東京。
通年上位につけ、4位という好結果を得た。
1stステージ、得点は少なかったが相手によって戦い方をアレンジして勝ち点を奪う姿には成長を感じた。
極端に引いたかというとそうではなく、前線からプレスを掛ける試合がほとんどだったがハーフカウンターを仕掛けるためのプレスだけでなく、相手の出しどころを抑えるためのプレスを掛けていた。
ただ、そうなると前線のスタミナの消耗が激しいのも確かで、チャンスの時に決め切れなかった。
しかしそれでも踏ん張って勝ち点を拾った。それが1stだったと思う。
これは目指しているサッカーでは無いと考えたのか、2ndステージでは前線からのプレスをハーフカウンターを仕掛けるためだけにやり尽くした。
攻めに出て来る相手にはこのやり方が面白いようにハマり、大量得点を挙げた。
中央でケリーが変幻自在の動きをするので相手はそちらに集中を傾けざるを得ず、空いたサイドのスペースを蹂躙した。
しかし、その事で引いた相手に苦戦する課題が忘れられ、天皇杯で再び思い知らされる事となった。
他では引き続き宮沢が東京の心臓として活躍し、新加入の金沢が東京に貴重なボールの収めどころとなって東京のDFラインに安心感をもたらした。
また、この快進撃は文丈の復活による処も大きい。
守備的に行くにしろ、攻撃的に行くにしろ、彼の絶妙なポジショニングがあったからこそバランスが保てたのだ。
実際、彼が交代で退いた後追いつかれたり逆転された試合が何度もあった。
ただ、石川が復活するきっかけになった「何も考えるな。シンプルにやれ。」という言葉は後の成長を阻害しているように感じる。
この甘い蜜を石川は未だに引きずり、工夫する事を忘れてしまい伸び悩んでいるように見える。
彼は工夫の出来ない選手ではない。それは1stで相手との兼ね合いを考え、その中で生かす術を見出した事で既に証明されている。
原監督という大きな器で若手が大暴れし、要所でアマラオ、文丈、土肥が締める。
2003年の東京は非常にバランスの取れた完成されたチームだった。
だからこそ、アマラオもひとつの区切りとして退団を決意したのかもしれない。
ただ、この年までは他チームがあまり警戒していなかったのも間違いないなかった。
東京が次なるステージに上がるには最善を抑えられた時に次善の手を打てるかどうかにかかった。
わずか2年で東京は受身のチームから能動的なチームへと脱皮していた。

2003基本布陣

    アマラオ
 戸田 ケリー 石川
   宮沢 文丈
金沢 茂庭 ジャーン 加地
    土肥

リーグ戦:4位 30戦13勝10分7敗 46得点31失点
ナビスコカップ:準々決勝敗退
天皇杯:4回戦敗退

笑撃!! 原東京元年 PLAYBACK FC東京 2002

PLAYBACK FC東京
12 /16 2005
2001年大熊監督勇退
守備重視の戦術、ベテラン頼りの起用法そして7年目というマンネリ化を脱するために迎えられたのは浦和畑の原博実監督だった。
浦和サポーターから降格の戦犯扱いされていた彼の起用は正直かなりリスキーだと思ったし、後に4年も指揮を執る事になろうとは、当人含めて誰も予想していなかったんじゃないかな。。

当時、FC東京といえば、典型的なカウンターサッカーで何より負けないためのサッカーだった。
まずはJ1に定着しなくてはならない以上仕方のない事ではあったけれど、魅力に欠けていたのも否めなかったように思う。
だけど、メディアを通じて伝わってきた原新監督の言葉は非常に魅力的で期待を抱かせるものだった。

原新監督は目指すサッカーについて、
「スペインのクラブのような、“攻撃的サッカー”。モデルは結束力の強いアスレティック・ビルバオやアラベス」
と語った。

首都で観客を集めるには数多のエンターテインメントに打ち勝つ魅力を発揮しなければならない。
カウンターサッカーから観客を魅了する“攻撃的サッカー”へ、原博実新監督とフロントの意向はガッチリと噛み合っていた。
そんなに上手くいくかよ、なんていいつつも妄想は膨らむばかりだった。

FC東京にとって転機となる2002年の補強動向は以下の通り。
2002s.jpg

原監督のテーマは"主力と若手の競争”
「加地と茂庭は敢えて若い選手を獲るようフロントに頼んだ。」
見ての通り、今のFC東京を支える柱の多くがこの年に入団している。
原監督、フロントの眼力、そして継続力の賜物だね。

キャンプではどういった練習をしていたのかは分からない。
イメージを伝えるために欧州サッカーのビデオを何度も見せていた事は間違いないようだ。

そしていよいよ青赤煙と共に、原東京の幕が上がり、衝撃的なサッカーを目撃する事となった!!

1st ステージ
第1節 鹿島アントラーズ(H)○4-2

布陣

   アマラオ
成光  ケリー 由紀彦
   宮沢 文丈
下平 伊藤 ジャーン 稔
     土肥

11分 成光
17分 伊藤
44分 ケリー
52分 成光

なんといきなり王者鹿島相手に4得点の圧勝!!
何より“攻撃的サッカー”の触れ込みにふさわしく終始攻めきった内容でサポーターを一瞬にして虜にしてしまった。
とにかく前からプレスをかけ、奪い、チャンスとみるやDFでも攻めあがる姿は去年までと同じチームとは思えなかった。
先制点は右サイドの由紀彦が持った時に逆サイドがゴール前に詰めて得点。伊藤の得点はセットプレー後の流れからかな。
この試合で目立ったのは4得点全てに絡んだ成光。翌日の新聞には代表入りとも伝えられたね。
また、前年まで出場機会に恵まれなかった宮沢も初スタメンの期待に見事応えた。
この試合を原東京ベストゲームに挙げる人も多いんじゃないかな。
原東京は華々しいスタートを切った。

次節は原監督がライバルと公言していた浦和だった。

第2節 浦和レッズ(A)○1-0

この試合も好調成光のゴールで勝利。
しかし、文丈が大怪我を負ってしまい、その後に不安もよぎった。

第3節 横浜F・マリノス(H)△1-1
第4節 清水エスパルス(A)■1-2
第5節 ジェフユナイテッド市原(H)△1-1
第6節 ガンバ大阪(A)●0-5


横浜FM戦ではなんとかギリギリで追いついたものの、攻撃サッカーを絶妙なバランスで体現した文丈の離脱が響いて失速。
怪我も重なり、ガンバ戦ではマルセロらを起用したが大敗してしまった。
しかも、成光までバイクで自爆事故を起こし、更に状況は悪化した。
どうしても勝ちたい原監督は続く仙台戦で何と、ベンチにGKを置かない、という大胆な策に出た。

第7節 ベガルタ仙台(A)●1-3

前半健闘した東京だったが点が入らず、逆に後半先制を許し負けてしまった。また、由紀彦はこの試合以降スタメンの機会が少なくなっていった。

重苦しい状況だったが幸運にもここでリーグ戦は中断し、ナビスコカップに突入。
そして、暗い中に光をもたらすあの男が東京へとやってきた!

NCGL 第1節 清水エスパルス(H)○3-0

横浜FMで出場機会に恵まれなかった石川を「今なら使っちゃうよ」と口説き落とし、言葉通り合流3日でスタメン起用。
石川はモヤモヤを吹き飛ばすかのように右サイドを疾走し、1アシストも記録。東京にとって久しぶりの明るい話題になった。

NCGL 第2節 緑(A)○1-0
NCGL 第3節 ヴィッセル神戸(A)△0-0
NCGL 第4節 ヴィッセル神戸(H)○1-0
NCGL 第5節 緑(H)○2-1
NCGL 第6節 清水エスパルス(A)●1-2


初戦を飾った東京はこの頃から定着した加地や福田の活躍でGL1位突破を果たした。
明るいムードでワールドカップの中断期間に入った。

第8節 サンフレッチェ広島(H)○4-0

再開初戦は戸田のハットトリックで爆勝。
右サイドの石川も活躍した。
ここからリーグ戦も突っ走るかに思われた。

第9節 ジュビロ磐田(H)●0-2
第10節 緑(A)●1-2
第11節 コンサドーレ札幌(H)○3-1
第12節 柏レイソル(A)○3-1
第13節 京都パープルサンガ(H)●1-3
第14節 ヴィッセル神戸(A)■1-2
第15節 名古屋グランパスエイト(H)●1-2


しかし、結果はご覧の通り。
結果も内容も良かったり悪かったり。
押しているのに決められなかったり、悪いけど決めたり、前半は良かったのに後半はグダグダなんて不安定な試合ばかりしていた。
これが経験の無さというものなのかもしれない。
ちなみに、京都戦辺りから茂庭がSBで起用されるようになった。

ちょっとした中断期間を挟んで2ndステージへ。

第1節 ジェフユナイテッド市原(A)○1-0

守り勝ちで初戦勝利。
ナビスコ準々決勝は…

NC準々決勝 ガンバ大阪●1-3

前半は良かったものの、波のある悪癖が出て後半一気に逆転を許してしまった。
そしてリーグ戦でまたもやガンバと対戦する事となる。

第2節 ガンバ大阪(H)○1-0

「西野さんには全部バレちゃいそうで、何にも考えないようにした。」原監督
無心の勝利。

第3節 サンフレッチェ広島(A)■1-2
第4節 緑(H)○2-1


広島戦でまたも決定力不足を露呈して延長負けを喫するも、エジムンド頼りの緑には逆転勝利!
3位と好調にスタートを切った。
が、やはりまだ若い…。

第5節 ジュビロ磐田(A)●1-6
第6節 横浜F・マリノス(A)●1-2
第7節 柏レイソル(H)●0-1


当時圧倒的な強さを誇った磐田相手に完敗。高原には4得点も謙譲してしまった。
その後はあと一歩の戦いを繰り返し、3連敗となってしまった。
しかし、若さが良い面で現れることも。

第8節 コンサドーレ札幌(A)○4-0
第9節 ヴィッセル神戸(H)□3-2
第10節 京都パープルサンガ(A)○1-0
第11節 ベガルタ仙台(H)○2-0


当時最も弱かった札幌戦では加地のスーパーロングシュートが飛び出すなど敵地でやりたい放題。
4得点で圧勝すると波に乗って4連勝。
また、神戸戦から茂庭がCBで起用され、藤山が左SBにまわった。

第12節 名古屋グランパスエイト(A)●0-1
第13節 清水エスパルス(H)●1-2


波に乗ったかに思われたが苦手名古屋にまたも屈すると、清水相手には数的優位を活かせずに敗戦。
相手が減ると弱るのは今も昔も変わらないが(苦笑)
ホーム最終戦は浦和との対戦だった。

第14節 浦和レッズ(H)□1-0

両チームともにすさまじい集中力を発揮した試合は延長に入って福田Vゴールで決着がつき、伝説の福田溝ダイブ!!
劇的な幕切れを迎えた。

第15節 鹿島アントラーズ(A)●1-2

最終節鹿島との対戦は相変わらず決めるべき時に決められず終了間際に力負けという結果に。
そして天皇杯へ…

天皇杯3回戦 湘南ベルマーレ■3-4

特別指定だった阿部ちゃんの活躍も虚しく、戸田弟の前に沈んでシーズンが終わった。

2002 基本布陣

     アマラオ
  戸田 ケリー 石川
   宮沢  浅利
藤山 伊藤  ジャーン 加地
     土肥

リーグ戦:9位 30戦13勝2分15敗得点43失点46
ナビスコカップ:準々決勝敗退
天皇杯:3回戦敗退


原博実元年だった2002年、最も重要だった原イズムの浸透には成功したと言っていいと思う。
当時から口酸っぱく「シンプルに」「どこが相手でも自分達のサッカーをする」と言い続けた効果があった。
真に“攻撃的サッカー”だったかどうかはともかくね(苦笑)
成績面でも最低限の残留を早々にクリアすることが出来たのも評価できるね。
補強の面でも、加地・茂庭の二人が競争に打ち勝ってスタメンを勝ち取り、途中加入の石川も武器として機能したのだから大成功だ。
シーズンフル稼働した宮沢の発見は原サッカーを体現する上で非常に重要だった。
大熊サッカーで培われた一所懸命なサッカーをしっかり引き継いだ上で原サッカーへ移行する礎がしっかりと作られた一年であった。
ヒロミピョンピョンや朴訥とした人柄でサポーターの心も一年目でガッチリ掴んだしね。

ただ一方で、若さ故の過ちを繰り返した年でもあった。
波が激しく一年中連勝連敗を繰り返し、押している時間帯に点を取れず逆に経験の無さから試合の終え方がわからず終盤に失点する事も多々あった。
それだけのびしろを残していたとも言えるのだけれど。

禁句と知りつつたらればを言わせてもらうならば、文丈の離脱が何より痛かった。
浅利、下平といった面々がよく穴を埋めてくれたけれど、重心が後に残ったままの普通なサッカーになってしまったよね。
原サッカーの一番の理解者であった文丈がもしピッチに立っていたならその絶妙なポジショニングで徹底した攻撃的なサッカーを披露できていたに違いないよ。

話は逸れるけれど、この年既にフロントは目標を優勝と言っている。
2005年に強く言い始めたように感じるのは忌まわしきHop Step Champの映像が頭の中をグルグルと回ってしまっているからじゃないかな。

最後は有名なアンケートのコピペで締めたい。

質問1
Q 「3バック」と「4バック」、基本的に採用しているシステムはどちらですか?
A 4バック
Q あわせてその理由も教えてください。
4バックが好きだから。

質問2
Q 採用しなかったシステムについてうかがいます。そのシステムを採用しない理由を教えてください。
4バックのほうが好きだから

質問3
Q 日本人の身体的な特徴などからみて、日本人に合っているDFのシステムは3バックだと思いますか?4バックだと思いますか?
A 4バック
Q その理由も教えてください。
自分は4バックが好きだから

http://www.tv-asahi.co.jp/n-station/sports/archive/34back/05fctokyo.html

いぎーた

FC東京が気になる人.